オーストリア・ウィーンに拠点を置く気鋭のマイクメーカーLEWITT(ルーイット)。先進的な回路設計やデジタル制御技術を取り入れたプロフェッショナルなプロダクトは、多くのクリエイターやエンジニアから評価されています。ここでは、ボーカルや楽器レコーディングに適したコンデンサーマイク「LCTシリーズ」の音質について特集! 前編はフラッグシップモデルLCT 1040をはじめ、スタジオ使用を想定した10万円以上ミドル〜ハイエンドクラスのモデルをピックアップします。
新しいコンデンサーマイクを検討している方は、是非チェックしてみて下さい!
レコーディング・エンジニアの川澄伸一氏(Mixer’s Lab)にご協力いただき、3種類の素材(男性ボーカル/女性ボーカル/アコースティックギター)を録音しました。用意したマイクはLEWITT LCT 640 TS、Pure Tube、LCT 1040に加え、比較用に真空管コンデンサーマイクNEUMANN M149の合計4本。これらのマイクは、1度に録音できるようにセッティングしています。
マイクプリアンプはFocusrite ISA 828 mkIIを使用。4本のマイクはすべて同じプリアンプを通しており、コンプレッサーなどは一切使用しておりません。
目次
デュアルアウトプット対応の多指向性コンデンサーマイク。デュアルダイヤフラム構造を活かし、録音後に単一指向性、無指向性、双指向性、ハイパーカーディオイドなど、自由に指向性の調整が可能です(専用ソフトを使用します)。収音するソースに対してマイクのサイドを向けて設置すれば、LCT640TSのみでステレオレコーディングにも対応します。また、低ノイズ&広いダイナミックレンジにより、極めてナチュラルで繊細な収音が可能。豊かさとトランジェント感のバランスの取れたサウンドは、あらゆるレコーディングで活躍します。
※今回はカーディオイド(単一指向性)で収録しています。
選別された12AU7(ECC82)真空管を搭載し、心地よい倍音と滑らかな中低域を実現。デジタル処理では再現できないアナログ的な温かさが特徴です。真空管マイクながらも、低ノイズ設計(7dB SPL以下)を実現し、クリアでナチュラルな音を収録できます。従来のクラシックマイクとは違うプレミアムなサウンドをお求めの方におすすめです。
本体と電源、ケーブル、マイクケース、マイクマウントがセットになったPURE TUBE ESSENTIAL SETと、マイクマウントの代わりにショックマウントとポップフィルターがセットになったPURE TUBE STUDIO SETの2種類をラインナップしています。
4種類の真空管キャラクターによるアナログ的な温かみのあるサウンドとFET回路のクリアでナチュラルな解像度の高いサウンドを自由にブレンドできる究極の多機能コンデンサーマイクです。ブレンドノブで、真空管とFETの比率を自由に調整し、録音したいトーンを細かくコントロール可能。1本であらゆるサウンドメイキングに対応できます。
真空管キャラクター
※今回は真空管キャラクターWarmで収録しました。
前編と後編に渡って紹介したマイクごとの3種類の音声ファイル(男性ボーカル/女性ボーカル/アコースティックギター)を含むプロジェクトファイルをDAW別にご用意いたしました。ご自身がお持ちのDAWのファイルをダウンロードしていただくと簡単に比較することができます。マイク選びの参考にしてください。
■ ダウンロードファイルの取り扱いにつきまして
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LCT1040の真空管キャラクターWarmモードとPureTubeが、かなり近い印象だったのには驚きました。ただ、LCT 1040はFETを後から足せるため、それを混ぜていくとキャラクターが変わってくるのが面白いですね。FETを加えていくことで、真空管の良さを活かしつつ、自然に音が明るくなるように感じました。真空管の回路で低音をキチンと出して、キラッとしたところはFET回路が担っているように思います。
LCT1040のFETは単体で使うというよりは、混ぜることを前提に設計されていると思います。単体で聞いてしまうと、やや音が薄く低域成分が少し足りないと感じましたが、真空管と混ぜるとバランスが取れてちょうど良いですね。実際にLCT1040のFET単体とLCT640を比較すると、LCT640 TSは低域成分がしっかりと収録されていたので、FET単体で使用するならLCT640 TSが良いと思います。
仕事でさまざまなマイクを使用していますが、やはりマイクの価格によって音の違いが顕著に現れます。ダイアフラムの精度や根本的な作りなど、理由はさまざまですが、その中でもPURE TUBEは、真空管マイクでありながら15万円前後という価格帯では非常に優れた性能を持っていると感じました。
今回比較した中で、「どれが欲しいか?」と聞かれれば、LCT1040が最も魅力的でした。さまざまな音に対応できる万能なマイクであり、特に柔軟な音作りを求める現場では使い勝手の良い1本だと思います。
ENGINEER / Tokyo
所属:株式会社ミキサーズラボ
1985年 日本工学院専門学校音響芸術科03期卒業
1985年(有)放芸企画契約社員 日本コロムビアスタジオ出向
1989年(株)ミキサーズラボ入社
2002年 日本工学院専門学校 講師(継続中)
2007年(株)ミキサーズラボ業務委託
現在に至る
Work List
相川七瀬、青木智仁、安倍なつみ、矢島舞美、彩魔、杏里、池上ケイ、 石川絵理、石川さゆり、いしだ壱成、伊勢正三、市村順平、今井美樹、 尾崎亜美、梶芽衣子、加藤吉彦、角松敏生、川江美奈子、河村隆一 and more…
website >> https://www.mixerslab.com/engineer/kawasumi/
日本の4人組ロックバンド But by Fall のセンターボーカルギター。ライブハウスを中心に全国で活動し、 2枚のフルアルバム と 3枚のミニアルバムをリリース。
テレビ東京系アニメ 『デュエル・マスターズVSRF』エンディングテーマ を担当。
作曲、作詞、歌
新潟県新潟市秋葉区出身
蟹座
カナダ・トロントでのバンド活動の後東京へ拠点を移し、2014年にミニアルバムを発売。 以降、楽曲制作・ライブ活動・イベント出演など、元気に音楽をつくり、歌っている。
好きなもの/こと:ビール、歩くこと、本を読むこと、手紙を書くこと
website >> https://www.kaedekobayashi.com/
youtube >> https://www.youtube.com/@kaedekbys
1965年兵庫県神崎郡福崎町出身。ビートルズで音楽に目覚め、ギターを手にする。東京学芸大学卒業後にギタリストとして活動を始め、 笠浩二(CCB)・松原みき・等のサポートワークを努めながら、1999年より自身のギター教室や専門学校などでギター講師としてのキャリアもスタート。
自身の経験から生み出された「究極のプレイ・フォーム」「究極のギター練習帳」はスマッシュヒットを飛ばし、その後もギター教則本や教則DVDは30本以上販売され、 ギター教則界でその名を不動のものとする。
website >> http://www.trussrodstudio.sakura.ne.jp/mtgs/index.html
SNS >> https://x.com/miyatankoro