DTMを嗜む皆さんに、ぜひ覚えて欲しいのがコンプレッサーの使い方です。
各パラメーターにどんな効果があるのかわからないという苦手意識をもっている方はいらっしゃいませんか?
「この音はこの数値が正解!」なんてものはないけれど、「こんな音になったらいいよね」、といった目安などを紹介いたします。
少しでも皆様の制作のお役に立てれば幸いです!
コンプレッサーは「ある一定の音量を超えたら、その音を小さくする」というエフェクターです。
この「ある一定の」という部分は自分で設定することができる数値です。項目は「Threshold(しきい値)」といい、Thresholdに設定した音量より大きいか、小さいかでエフェクトが発動する瞬間を決めます。
「その音を小さくする」という部分は「どのくらい圧縮をするか」を自分で決めることができます。この項目は「Ratio(レシオ)」といい、多くのコンプレッサーは比率で表すことが多い項目です。
つまり、「赤い線を超えた部分の音を、どのくらい小さくするか」を決められるエフェクトが、コンプレッサーです!
では、iZotope Neutron5を使って、コンプレッサーの動作をみてみましょう。
画像はiZotope Neutron5の画面です。
このプラグインに搭載されているコンプレッサーは目でみても非常にわかりやすいタイプです。
オレンジの線は、実際にどのくらい音が圧縮されたかが表示されています。また、コンプレッサーを通った音の大きさは、白い線で表示されており、その後ろの少し薄くなっている線は元々の音源の音量を表示しています。
左側に「Ratio」の表示があります。今回は2:1に設定をしているので、元の音量の二分の一になっているのがわかります。
このように、思っていた音より大きいと感じてしまった時や、どの部分を聴いても均一な音量にしたい時にコンプレッサーを使用して、音量のバランスを整えていきます。
続いて、音声でも確認してみましょう。
元の音より小さくなっていますね!
しかし、この音声には少しツンツンした感じと、音量上下のフワフワ感があります。
この「ツンツン」「フワフワ」はなぜ起きてしまうのでしょう。
音には「時間」があります。コンプレッサーにも「いつからいつまで」音を小さくするのかを指定する項目があります。
「Attack」では、音量がThresholdを超えてどのくらい経ったら圧縮を始めるのかを決めます。
「Release」では、音量がThresholdを下回ってどのくらいまで圧縮を続けるかを決めます。
Attackが早ければ早いほど、コンプレッサーのかかり方もキツく聴こえ、Releaseが遅ければ遅いほど、コンプレッサーはかかりっぱなしになります。
この「フワフワ」や「ツンツン」については、音楽的効果を狙うために楽曲のテンポに合わせて調節することもあります。
AttackとReleaseは、コンプレッサーを使用する上で最も奥深い部分だと思っています。だからとっても難しい……!
この二つの設定、なんとか簡単に設定できないものでしょうか。
……実は、Neutron 5にはリリースタイムを簡単に設定をしてくれるボタンがあります。
こちらはモダンモードのみの搭載ですが、とても便利です。
Releaseの右上にある「A」ボタン。このボタンを押すと、Neutronが挿されているトラックの音声に合わせて、自動でReleaseの数値を設定してくれます。とってもありがたい……!
また、Gainフェーダーの上についている「Auto」ボタンを押すと、コンプレッションして小さくなってしまった音を、再び適正な音量まで自動で持ち上げてくれる機能が発動します。
なんとも至れり尽くせりなプラグインです。
現在はハードウェア、ソフトウェア含め、さまざまなコンプレッサーが存在します。
ここではどれを買うべきか迷った時におすすめしたいものをご紹介します。
MIXを手伝ってくれるアシスタントAIと共に、高機能なコンプレッサーや、イコライザー、エキサイターなどを使用して音声を整えることができます。
視認性に優れたUIもおすすめポイントの一つ。今回の記事ではこちらを使用して、コンプレッサーの使い方の説明をしました。
また、Neutron 5はコンプレッサーだけではなく、他にもMIXをする上で便利なエフェクターが多数収録されており、ボタン一つでAIが音に合わせてエフェクターの種類と、その数値を決めてくれる時短プラグインでもあります。
初めてプラグインを導入される方にもオススメです!
ビンテージ・コンプレッサーLA-2Aをシミュレートしたプラグインです。
ボーカル用の定番コンプとして使われています。
アタックやリリースについては設定をせずに元音源の音量と、「どのくらい音を潰すか」だけを設定して使うコンプレッサーです。
エフェクトは非常にナチュラルにかかり、ボーカルやピアノの音色の粒立ちをよくしてくれます。
音の輪郭がはっきりするコンプレッサーです。
Waves CLA-76 Compressor / Limiter
CLA-76はビンテージ・コンプレッサー、Urei 1176をモデルにしたコンプレッサーです。
こちらも、よくボーカルに使用されるコンプレッサーです。パネルの色が二種類あり、色によって音色が若干変わりますのでぜひお試しください。
エフェクトのかかりが非常に早く、ハキハキした音になるので、パワー系のボーカルなど激しい音に使用すると大きく効果を感じられます。
実機のコンプレッサーは、モデルや製造時期は同じでも個体差があり、たとえ同じ設定にしたとしても若干エフェクトのかかりや音色が異なることがあるのです。
青いコンプのモデルは、クリス・ロードアルジという世界的エンジニアが所有している貴重なもの。こういった実際に活躍した機材が、未来永劫に伝わり続けるサウンドになるということも、プラグインの良さですね。
AMS Neve 88C
AMS Neve 88Rコンソールのチャンネルストリップを元にしたVCAステレオコンプレッサーです。
非常にコンパクトなハードウェア・コンプレッサーで、USB-C BUS電源で動作するため使う場所を選びません。
MIXはプラグインで完了することが多くなりましたが、直感的な操作でエフェクトをかけられるハードウェアコンプレッサーも人気があります。
もっといろんなプラグインの情報や、音源の情報を手に入れたいならMIオンラインストアの会員登録がオススメです。会員限定のメルマガで新製品情報や、お得にお買い物ができるクーポン情報などが送られることもあります。お買い物ついでにご登録ください!
MIオンラインストア 新規会員登録はこちら!
「メールが送られてくるのはちょっと……」という方には、MIオンラインストアのXのフォローがオススメです。
ふとした瞬間の出会いが期待できるし、スタッフが実際に操作してみた動画やセール開催情報もいち早く確認できます。
DTMでの音楽制作は、スピードも品質も両立することが求められています。
最新の技術を詰め込んだ製品をどんどん使って効率よく作品を生み出し、制作のモチベーションを保ちましょう!
MIオンラインストアはミュージシャンの皆様を応援しています!